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すぐわかる2025年版AQG 324の注目点

2025/09/19

パワーモジュールの信頼性と寿命は電気自動車および高効率・高出力技術の急速な発展に伴い、車載エレクトロニクス設計において極めて重要になっています。2025年5月に正式に発表された2025年版のAQG 324 v4.1は、特に炭化ケイ素(SiC)パワーモジュールの適用において、車載認証のためのより厳格で具体的な試験基準を提供しています。

 

AQG 324 とは?

AQG 324は、ECPE(European Center for Power Electronics)が策定した車載用パワーモジュールの試験ガイドラインです。特性評価、環境試験、寿命試験に至るまでの、包括的なプロセスを網羅しています。強制的な規格ではありませんが、自動車メーカーとサプライチェーン間の品質に関する共通基準として合意されています。

 

2025年版の3つの注目点

  1. SiCモジュールの試験要件の強化:新バージョンでは、SiCの高温・高電圧特性に対応するため、11項目の新たな試験条件と故障モード解析が追加されました。HTGB(高温ゲートバイアス)、DGS(動的ゲートストレス)、H3TRB(高温高湿逆バイアス)、DRB(動的逆バイアス)試験は、極限環境下におけるSiCモジュールの潜在的な故障リスクを効果的に明らかにします。Siモジュールとは異なり、新バージョンにはDGS(動的ゲートストレス)、DRB(動的逆バイアス)、dyn.H3TRB(動的高温高湿逆バイアス)などの動的寿命試験が含まれており、静的動作に加え動的動作におけるモジュールの疲労効果の検証が可能となりました。

  2. パワーサイクル試験の精密化:新バージョンでは、パワーサイクル試験をPCsec(短時間)とPCmin(長時間)の2つのモードに分けています(下図参照)。これらの試験では、チップと基板の接合部の耐熱衝撃性とヒートシンクの構造的完全性をそれぞれ評価します。これにより、実際の車載ミッションプロファイル(Mission Profile)における経年劣化挙動をより正確にシミュレートできます。

     

  3. モジュール設計重視の試験哲学:AQG 324は単なる試験規格にとどまらず、「品質を設計から考える(Design for Quality)」という思想が組み込まれています。チップ設計からパッケージングプロセス、モジュールレイアウトに至るまで、あらゆる段階でAQG 324試験に合格するための検討が必要です。

なぜAQG 324試験は重要なのか?

車載用パワーモジュールのサプライヤーにとって、AQG 324試験の合格は、製品が主要自動車メーカーのサプライチェーンに参入できるかどうかに直接影響します。特に、SiCを用いた次世代モジュールにとって、この規格は設計と検証の中核となる基準です。

 

結論

2025年版のAQG 324は、技術的なアップデートであるだけでなく、将来の車載用パワーモジュールの信頼性を包括的に向上させるものです。この動向を見据え、MA-tekは新しいAQG 324仕様に準拠した動的寿命試験の対応体制を整えており、お客様が電気自動車(EV)時代への足掛かりを迅速につかめるようサポートしています。

 

 

お問い合わせ

担当者:張

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